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【書評】『勝負眼』レビュー|絶頂期に「引く」勇気。52歳のトップが遺した、次世代への投資。

Low Calm
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カップの中で揺れる紅茶の表面を見つめながら、ふと考える。

「止める」ことや「譲る」ことは、なぜこれほどまでに難しいのでしょうか。

人事労務の現場にいると、長年組織を支えてきたリーダーが、その影響力を手放せずに組織が老害化していく場面を何度も目にしてきました。
脂が乗り、周囲からも必要とされている時期であればなおさら、その座に固執するのが人間の本性なのかもしれません。

今回ご紹介するのは、サイバーエージェントの創業者・藤田晋氏の著書『勝負眼』。

2025年12月、52歳という経営者として最も脂が乗った時期に社長交代をし会長に退くことを決断した彼が、その直前に自ら書き綴った一冊です。

これは単なる成功物語ではありません。
「余力を残した絶頂期に、いかにして未来へバトンを繋ぐか」という、極めて高度な「引き際」の戦略書です。

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結論:この記事は「読む価値」ある?

  • こんな気分向け
    今のキャリアをいつまで続けるべきか、あるいは、自分が抜けた後の組織をどう描くべきか、漠然とした不安を抱えている時。
  • 読むと得られるもの
    「攻め」の局面以上に重要となる、「守り」と「譲渡」の冷静な判断基準。
  • Low Calm 判定
    「時間投資の価値アリ」
    52歳という若さで、なぜ「今」だったのか。その背景にある緻密な計算と美学を知ることは、私たちの人生設計において極めて良質な刺激になります。

Low calmが「グッときた」ところベスト3

人事労務としての客観的な視点と、FPとしての合理性、そして「人生の時間は有限である」という私自身の経験を交えて読み解きます。

【第1位】「撤退戦」こそが最強の戦略である

藤田氏は、勝負の9割は「押し引き」で決まると断言します。

特にABEMA等の巨額投資を伴う事業の舞台裏で、彼が何を基準に踏み込み、どこでブレーキをかけたのか。

サンクコスト(埋没費用)への執着を断ち切り、最善のタイミングで引くこと

この「撤退」の潔さこそが、結果として組織の寿命を延ばし、次の大きな勝利を呼び込む。人事労務の視点で見ても、停滞したプロジェクトを閉じる勇気は、新しい才能を解放するために不可欠なプロセスだと痛感しました。

【第2位】「Z世代を見極める眼」 システム化された抜擢

若手社員のマネジメントを、属人的な「勘」ではなく、徹底したシステムとして構築する。第2章で語られるこの手法は、現場の人事担当者として深く膝を打ちました。

感情や相性に左右されず、次世代が自然と台頭する仕組みを整えること。

個人のカリスマ性に依存しない組織作りこそが、彼が52歳という若さで安心して社長を退任できた最大の要因なのでしょう。

【第3位】52歳での退任が示す「時間の投資効率」

本書の白眉は、藤田氏が自身の引き際について語る誠実な言葉たちです。

彼は健康不安による退任ではなく、組織のさらなる成長のために、あえて絶頂期に退く道を選びました。

私自身、新卒1年目で難病(潰瘍性大腸炎)を患い、「いつ動けなくなるか分からない」という切迫感と共に生きているため、彼のようなトップリーダーが自ら「終わりの時間」を逆算し、最高の状態でバトンを渡す姿は、眩しいほどの合理性に満ちていました。

彼が自ら書き下ろした13万字の重みは、私たちに「自分の時間をどこに、いつまで投資すべきか」を静かに問いかけてきます。


どんな人におすすめなのか

✅ おすすめな人(時間を投資すべき人)

  • 部下や後継者の育成に悩み、自分の「代わり」を作りたいリーダー層。
  • 50代を前に、自らのキャリアの「出口」と「新しい入口」を模索している方。
  • 藤田晋という経営者の、ゴーストライターを通さない「生の声」に触れたい方。

🚫 おすすめしない人(ミスマッチの可能性)

  • 「藤田晋の闘病記」を求めている方。(本書に健康問題の記述はありません)
  • 短期的な「儲け話」や、自分では動かない「他力本願」な成功法を求めている方。

紙 or 電子どの形式で「時間」を使うべきか?

形式判定理由
紙の書籍退任という大きな節目に書かれた13万字。その行間に漂う経営者の「孤独と決意」を指先で感じながら、じっくりと対話するように読むのが最適です。
電子書籍CHAPTERごとの構造が非常にクリアなため、忙しいビジネスパーソンが移動中に一章ずつ自分にインストールしていく読み方にも向いています。
オーディオブック著者が自ら筆を執った「言葉の温度」を大切にするためにも、まずは視覚情報としてその一字一字を追ってほしい一冊です。
【30日無料】Kindleで読む

世間の口コミ(Xから)


まとめ:あなたの「時間」を投資する価値はあるか

読み終えて、冷めた紅茶を一口。

「勝負眼」とは、単に勝機を見極める力ではなく、自分の人生において「いつ、何に、どのように幕を引くか」を見極める力なのだと知りました。

52歳という若さで、最高の景色を次世代に譲った藤田氏。

彼の残した13万字の思考に触れることは、あなたが今日抱えている「決断できない悩み」を、驚くほど冷静なものに変えてくれるはずです。

自分の引き際を、自分でデザインすること

この本に投じる数時間は、あなたの人生の後半戦をより豊かなものに変える、最高効率の「自己投資」になるに違いありません。

【最終案内】あなたの「時間」を豊かにする一冊

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