「仕事、できてるつもり?」その価値、説明できますか?『付加価値のつくりかた』を読まないと、あなたは“作業するだけの人”で終わる。
こんにちは。あなたの時間を大切にする「本の変人」、Low calm(ロウカーム)です。 美味しいお茶を淹れて、この書評(という名の解体新書)にお付き合いください。
先に結論を言います。 この本は、「自分の仕事の価値が分からない」と悩むすべての人にとって『買い』です。 もしあなたが、
- 上司から「もっと付加価値の高い仕事をしろ」と曖昧な指示をされて困っている。
- 毎日忙しく働いているのに、なぜか評価されないし給料も上がらない。
- ぶっちゃけ、「付加価値」って何なのか説明できない。
このうち一つでも当てはまるなら、今すぐ本書を手に取るべきです。 なぜなら、この本を読まないあなたの時間は、「価値を生む仕事」ではなく「誰にでもできる作業」に浪費され続ける可能性が極めて高いからです。
この記事でわかること(あなたの時間泥棒を防ぐために)
この記事は、年間150冊の本を(仕事そっちのけで)読み漁る私、Low calmが、「時間の無駄だった」と本を投げ捨てないために厳選した良書を紹介するものです。
本業では人事労務管理、つまり「人の評価」を生業にしている私が、長年「呪いの言葉」だと思っていた『付加価値』という言葉の呪縛から解放されたプロセスを、包み隠さずお伝えします。
この記事では、本書の核心である「グッときたところベスト3」を、私の実体験(主に人事としての苦悩)と共に、1位から順に解説します。
最初だけ読んでも「この本があなたに必要か」は判断できます。 最後まで読めば、あなたが明日から「作業する人」を卒業し、「価値を生む人」になるための具体的な第一歩が分かります。
あなたの時間を、無駄な本選びに費やさせるわけにはいきませんから。
📖 Low calmが選ぶ「グッときたところ」ベスト3
本書は「付加価値」の定義から、その創出プロセス、伝え方までを体系的に解き明かす一冊です。その中でも、私(人事担当者)の固定観念を木っ端微塵に打ち砕いた箇所を、ランキング形式で紹介します。
【第1位】「付加価値」の定義が、私の評価基準を破壊した
グッときた箇所(※Low calmによる要約・解釈) 「付加価値」とは、「頑張ること」でも「時間をかけること」でもない。 それは、「相手(顧客や上司)にとって望ましい変化」を生み出すこと、ただそれだけである。
これが本書の根幹です。 この一文を読んだ時、私は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けました。なぜなら、人事担当者として、私は「頑張り」を評価軸から外しきれずにいたからです。
私の職場には、対照的な二人の社員がいました。
- Aさん: いつも忙しそう。毎月30時間の残業をし、誰よりも遅くまでオフィスに残っている。「頑張ってます」が口癖で、その「頑張り」を評価してほしいと強くアピールしてくる。
- Bさん: 常に定時退社。飄々(ひょうひょう)としており、頑張っている素振りを見せない。しかし、彼が作る営業資料は「とにかく分かりやすい」と、営業部から絶大な信頼を得ている。
私はどちらを評価すべきか、ずっと悩んでいました。Aさんの「努力」を無下にはできない。しかし、Bさんの「成果」は明らかに出ている。
本書を読んで、この悩みが一瞬で氷解しました。 著者の定義によれば、Aさんの「30時間の残業」は、会社にとっては「コスト(人件費)」でしかありません。それはAさんの自己満足であり、「望ましい変化」ではないのです。
一方で、Bさんがもたらした「営業部員が顧客に提案しやすくなった(=分かりやすい資料)」という状態。これこそが「相手にとって望ましい変化」であり、紛れもない「付加価値」だったのです。
私は恐ろしくなりました。 「頑張っているから」という理由だけでAさんを評価し続けていたら、私は「コスト」をかけた社員を褒め、本当に「価値」を生んでいるBさんを冷遇するという、会社にとって最悪の判断を下すところでした。
あなたがもし「こんなに頑張っているのに」と不満を抱えているなら、一度立ち止まってください。 その「頑張り」は、誰かに「望ましい変化」をもたらしていますか? それとも、ただの「自己満足のコスト」になっていませんか?
本書は、この残酷な問いを、私たちに突きつけます。
【第2位】あなたは「仕事」をしているか、それとも「作業」か
グッときた箇所(※Low calmによる要約・解釈) 指示されたことを、指示された通りに、ミスなく行うこと。それは「仕事」ではなく、単なる「作業」である。 「作業」の価値はゼロに等しく、今やAIやロボットに代替される運命にある。
第1位の「付加価値=望ましい変化」という定義に続き、この「作業」と「仕事」の峻別が、私の胸に深く突き刺さりました。
本業である人事の業務を例に挙げてみましょう。
- 人事の「作業」とは?
- 給与計算を、1円の間違いもなく行うこと。
- 社会保険の手続きを、期日通りに完了させること。
- 入社・退社の書類を、不備なく回収すること。
これらは、人事部にいる人間として「できて当たり前」のことです。 これを完璧にこなしても、付加価値は(ほぼ)ゼロ。むしろ、ミスをすれば「マイナス」になる、守りの業務です。これらは本書の言う「作業」です。
- 人事の「仕事」とは?
- 「社員が辞めたいと思う本当の要因」をデータから特定し、新しい福利厚生(例えば、リモートワーク手当の増額や、男性育休の取得義務化)を経営陣に提案し、「離職率を5%低下させる」こと。
先程、第1位で述べた「(会社や社員にとって)望ましい変化」を生む「仕事」です。
本書を読んで、私は自分の日常業務の8割が、この「作業」に忙殺されていたことに気づき、愕然としました。 私は「作業」をミスなくこなすことで「仕事をした気」になっていたのです。
著者は、この「作業」のレベルで「自分は仕事ができる」と勘違いしているビジネスパーソンが多すぎると警告します。
「毎日Excelと格闘している」 「大量のメールを捌いている」 「会議の議事録を完璧に取っている」
それ、本当に「仕事」ですか? それ、AIやインターン生に任せられない「作業」ですか?
この問いに「はい」と即答できない人は、本書を読んで「作業」から「仕事」へと思考をシフトさせる必要があります。さもなければ、あなたの市場価値は下がり続ける一方です。
【第3位】「価値」は、伝わるまでが「仕事」である
グッときた箇所(※Low calmによる要約・解釈) どれほど素晴らしい価値を生み出しても、それが「相手に伝わらなければ」、存在しないのと同じである。 価値とは、「自分がやったこと」ではなく、「相手が受け取ったと認識したもの」である。
私は、この章を読んで、過去の評価面談で出会った「もったいない社員」の顔を何人も思い出しました。
人事として、年に2回、全社員と評価面談を行います。 その中で、最も評価に困るのが、「アピールが下手な、いい人」です。
彼らは面談でこう言います。 「今期は、とにかく頑張りました」 「毎日、遅くまで残ってデータを整備しました」 「大変でした」
彼らは、自分の「頑張り」や「費やした時間」を一生懸命に説明します。 しかし、それは第1位で述べた通り、「コスト」の報告でしかありません。 私は人事として、「で、その頑張りの結果、誰がどうハッピーになったの?」と聞きたいのを、必死にこらえます。
本書は、この「伝え方」の重要性を説きます。 価値とは、「自分が提供した価値(=相手の望ましい変化)を、相手が理解できる言葉で説明すること」までがワンセットなのです。
本書で学んだ「価値の伝え方」を、先ほどの「アピールが下手な社員」に当てはめてみましょう。
- ダメな伝え方(作業報告): 「営業部のために、毎日3時間かけてデータ入力を1000件やりました。大変でした」
- 良い伝え方(価値報告): 「営業部が、毎朝の『昨日の売上集計』に30分かかっているという課題を解決するため、データ入力のプロセスを見直しました。結果、営業部の集計作業は5分に短縮されました」
どちらが評価されるべきか、一目瞭然です。 後者は、自分の行動が「営業部」という相手に「25分の時間短縮」という「望ましい変化」をもたらしたことを、明確に伝えています。
もしあなたが「自分は価値を生んでいるはずなのに、上司が評価してくれない」と嘆いているなら、それは「価値の伝え方」が間違っているだけかもしれません。 本書は、そのための具体的な言語化の技術まで教えてくれます。
🧐 どんな人におすすめなのか
年間150冊読む私が、自信を持って「あなたの時間を無駄にしない」と判断した本書。 しかし、万人受けする本など存在しません。 ここでは、Low calmの独断と偏見で「読むべき人」と「読まない方がいい人」を分類します。
⭕ おすすめな人(3パターン)
- 「付加価値」という言葉に呪われている人 「付加価値って何?」と悩み続け、結局「早くやる」「ミスなくやる」ことしかできず、評価につながらない人。本書は、その呪いを解く「定義」を与えてくれます。
- 自分の給料が「なぜこの金額なのか」説明できない人 自分が会社にもたらしている「望ましい変化」を言語化できない人。本書を読めば、評価面談や給与交渉で「私はこれだけの価値を提供した」と論理的に説明できる武器が手に入ります。
- 部下や後輩の「何を評価すればいいか」分からない管理職・人事担当者 まさに私です。「頑張り」を評価する古いマネジメントから脱却し、「生み出した価値」を正しく評価したいと願うすべての上司に、強くおすすめします。
❌ おすすめしない人(3パターン)
- 具体的な「(業界特有の)テクニック」だけを求める人 本書は「思考法」「マインドセット」の変革を促す本です。「明日から使えるExcelショートカット集」のような、即物的なテクニックを期待すると肩透かしを食らいます。
- 今の「作業」に満足しており、何も変えたくない人 「言われたことを、言われた通りにやるのが楽だ」という人には、本書は苦痛かもしれません。本書は、常に「なぜやるのか?」「どう変えるか?」を問うため、ある意味「しんどい」本です。
- 小難しい(横文字の)理論が苦手な人 著者はコンサルタント出身のため、ロジカルで体系的に書かれています。物語やエッセイのような読みやすさを求めると、途中で挫折する可能性があります。
📚 著者のプロフィールと本の詳細
著者のプロフィール
田尻 望(たじり のぞむ) 氏
株式会社プルータス・コンサルティング 代表取締役社長。 大手コンサルティングファームを経て現職。企業の「価値変革」を支援するプロフェッショナルとして、多くの大企業のコンサルティングに従事されています。「価値」を定義し、それを高めることの専門家です。
本の詳細
- 書籍名: 付加価値のつくりかた
- 著者: 田尻 望
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2023年11月29日
- ページ数: 304ページ
✅ まとめ:あなたの「作業」を「仕事」に変えるために
最後に、この本が私(Low calm)をどう変えたか、そして、あなたが明日から何をすべきかをお伝えして、この書評を締めます。
私自身の変化(Before → After)
- Before(読む前): 「頑張り」や「費やした時間」を評価軸から外すことができない、古い体質の人事担当者。部下にも「とにかく頑張れ」と曖昧な指示しかできず、「付加価値」という言葉の定義から逃げていた。
- After(読後): 「その行動は、誰に、どんな望ましい変化をもたらしたか?」 このシンプルなナイフ一本で、全ての「仕事」と「作業」を切り分けられるようになった。評価面談では「あなたが起こした『望ましい変化』を教えてください」と、明確な基準で相手の「価値」を測れるようになった。
明日から出来る具体的なアクションプラン
この長い記事をここまで読んでくださった、あなたの貴重な時間を無駄にしないために、明日からやってほしいことを一つだけ提案します。
それは、あなたの「ToDoリスト(作業リスト)」を「付加価値リスト」に書き換えることです。
今すぐ、あなたの手帳やタスク管理ツールを開いてください。 おそらく、そこにはこう書かれているはずです。
- 「〇〇さんへ定例報告メールを送る」
- 「A社のための提案資料を作る」
- 「週次の会議に出席する」
これらは全て「作業」です。 今日から、これらすべてを「付加価値(=望ましい変化)」を主語にして書き換えてください。
- 「〇〇さんが(報告を読んで)次のアクションを判断する時間を短縮するために、簡潔な報告メールを送る」
- 「A社の担当者が(資料を見て)稟議を通しやすくなるように、費用対効果を強調した提案資料を作る」
- 「週次の会議で(私(自分)が)意思決定のモレを指摘し、手戻りを防ぐために、会議に出席する」
書き換えるだけで、あなたの意識は「作業をこなすこと」から「価値を生むこと」へと強制的にシフトします。
『付加価値のつくりかた』は、この意識変革を、より深く、体系的に、そして強力にサポートしてくれる一冊です。
あなたの貴重な時間が、これ以上「作業」に浪費されないことを願っています。
Low calmでした。

