「結局、何が言いたいの?」と上司に詰まされ、胃が痛いあなたへ。『頭のいい人が話す前に考えていること』は、あなたの時間を無駄にしない良書か?
こんにちは。「本の変人」こと、Low calm(ロウカーム)です。 美味しいお茶を淹れ、活字の海を泳ぐことが何よりの喜び。
このブログのモットーは「あなたの時間を大切にすること」。
私自身が「本選びの失敗」を心底嫌っており、「これを読んだ時間は無駄だった」と後悔する瞬間が何より許せません。
新卒1年目で難病(潰瘍性大腸炎)を宣告され、社会人生活がハードモードで始まった私にとって、「人生の時間は有限である」という事実は、誰よりも重く受け止めている自負があります。
だからこそ、私が紹介する本は、年間約150冊の活字中毒者として、そして現役で300人規模の会社で「ぼっち人事労務」として奮闘し、さらにFP(ファイナンシャル・プランナー)2級取得者としてお金と時間の価値を追求する立場から、「これは!」と確信した良書のみです。
さて、今回ご紹介するのは、安達裕哉氏のベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』。
あなたも書店で平積みされているのを見て、一度は手に取ったことがあるかもしれません。 「頭のいい人」という言葉は、時にコンプレックスを刺激しますよね。
「会議でうまく発言できない」 「上司に『で、結論は?』と遮られる」 「自分の意図が正しく伝わらず、いつも損をしている」
もしあなたが、こんな悩みを抱えて貴重な時間を溶かしているのなら、この記事はあなたのためのものです。
結論:これは「話し方」の本ではなく、「思考の型」の教科書だ
「長々と読む無駄な時間を消費したくない」という私の方針に基づき、最初に結論からお伝えします。
本書は、「コミュニケーションで失敗したくない」すべての人にとって、即効性のある処方箋です。
特に、私のような人事労務担当者や、エンジニア、経理など、専門的な内容を「専門家ではない人」に伝えなければならない立場の人にとって、本書は「話し方」のテクニック以前に学ぶべき**「思考の型」**を授けてくれます。
この記事を最後まで読めば、以下のことが明確になります。
- 本書があなたの「大切な時間」を投資する価値があるか、その最終判断
- 現役人事の私が「これは現場で使える!」と唸った、実践的な思考法
- 明日からの会議や報告で、あなたが「話の分かりやすい人」と評価されるための具体的な第一歩
この記事が、あなたの「大切な時間」を豊かにする一助となることを目指し、正直に、深くレビューしていきます。
☕ Low calmが「グッときた」ところベスト3
では早速、年間150冊読む私が「これは!」と感心した箇所を、ランキング形式で紹介します。ビジネス書ですので、核心部分にも触れていきますが、それは本書の価値を損なうものではなく、むしろ「実践したい」とあなたを駆り立てるものだと確信しています。
第3位:「頭の良さ」とは知識量ではなく、「相手に伝わる言葉に翻訳できる能力」である
本書では、「頭の良さ」を知識の多寡で定義していません。むしろ、知識をひけらかす人間を「頭が悪い」とさえ示唆しています。
これは、人事労務として就業規則や給与計算と日々格闘している私にとって、耳の痛い話でした。
300人規模の会社で、人事は私一人(ぼっち人事です)。職員からの問い合わせは、給与明細の控除項目、有給休暇の付与日、社会保険の手続きなど、専門用語のオンパレードです。
以前の私は、「なぜこれが理解できないんだ」と、相手の勉強不足を心の中で(時には顔に)出してしまっていました。「ちゃんと就業規則に書いてあるじゃないか」と。
しかし、それはただの「知識のひけらかし」であり、相手の時間を奪うだけの無価値な行為だったのです。
本書を読み、ハッとさせられました。 人事の仕事は、複雑な法律や制度を「知っていること」ではなく、それを「職員が安心して働ける言葉に翻訳して伝えること」にあるのだと。
給与計算をミスったら職員の人生が終わる(私の社会人生命も終わりますが)というプレッシャーの中で、相手の不安を取り除く「翻訳力」こそが、人事の、いや、すべての専門職の「本当の知性」だと痛感させられた一節です。
第2位:人は「自分が理解できること」しか聞く耳を持たない。だからまず「相手の関心事」を把握せよ
第3位と繋がる部分ですが、こちらはより「順番」の重要性を説いています。
これは、私がFP2級の知識を活かして職員の相談に乗る際に、まさに痛感していることです。
難病を経験し「人生の時間は有限」だと悟った私は、老後のお金や資産形成の重要性を誰よりも理解しているつもりです。だからこそ、「iDeCoやNISAは絶対にやるべきだ」という熱量も人一倍強い。
しかし、職員の相談に乗ると、彼らの関心事はそこにはありません。 「来月の手取りがなぜこれなのか」 「今の生活費でカツカツなのに、老後のことなど考えられない」
この状態の相手に、私が「いや、複利の効果が」と熱弁しても、それはただのノイズ。まさに時間の無駄です。
本書は、「まず相手の不安に寄り添い、相手の言葉で状況を整理すること」こそが、コミュニケーションの第一歩であると教えてくれます。
私がすべきだったのは、iDeCoの素晴らしさを説くことではなく、「手取りが不安なんですね」「生活費がカツカツなのは、どこに原因がありそうか一緒に見てみましょうか」と、相手の「今」の関心事にフォーカスすることでした。
相手の「Why(なぜ不安なのか)」を解消して初めて、こちらの「What(iDeCoやNISA)」が相手の選択肢に入ってくる。この「順番」を間違えると、どれだけ正論を言っても相手の時間は無駄になる。コミュニケーションの鉄則を再確認しました。
第1位:会議で「頭のいい人」が黙っているのは、「What(何を)」ではなく「Why(なぜ)」を考えているから
そして、私が本書で最も衝撃を受け、即座に実践を決めたのがこの視点です。
これを読んだとき、私は頭を殴られたような気分でした。
ぼっち人事として、私は会議にも現場のミーティングにも出席します。そこでは常に、経営陣と現場の板挟みです。
例えば、新しい勤怠管理システムを導入する会議。 現場は「操作が簡単なA案がいい」と言い、経営陣は「コストが安いB案がいい」と主張する。
以前の私は、この「A案 vs B案」という『What』の土俵で、必死に「A案のメリットは…」「B案のリスクは…」と説明しようとしていました。そして、どちらからも「お前はどっちの味方だ」と睨まれる。まさに時間の地獄です。
しかし、本書を読んで気づきました。私が考えるべきだったのは、A案かB案か、ではありません。
「そもそも、なぜ私たちはこのシステムを導入するんだっけ?(Why)」
この一点でした。 経営陣の「Why」は、「管理コストを削減したい」かもしれません。 現場の「Why」は、「毎日の打刻の手間(時間)を減らしたい」かもしれません。
もし両方の「Why」が一致していない(あるいは、どちらかのWhyがもう一方を著しく侵害する)のなら、A案B案どちらを選んでも失敗します。
私がすべきだったのは、「What」の比較表を作ることではなく、会議の冒頭で「この会議のゴール(Why)は、コスト削減と現場の工数削減の両立、という認識でよろしいですか?」と、目的の「Why」を全員で確認することでした。
この「Why」の視点を持ってから、私の会議での役割は劇的に変わりました。議論が迷走し始めたら、「すみません、それって当初の目的である『〇〇(Why)』にどう繋がりますか?」と軌道修正する。
それだけで、会議の時間がどれだけ短縮され、私のストレス(と胃痛)がどれだけ軽減されたことか。これは、私の「大切な時間」を守るための最強の武器です。
🙋♀️ どんな人におすすめなのか
この本が、あなたの時間を豊かにするか、それとも無駄にするか。 活字中毒者かつ現役人事の視点で、正直に紹介します。
⭕ おすすめな人(あなたの時間を豊かにする)
- 会議や報告のたびに「で、結論は?」と上司に詰められ、胃が痛い人
- 本書は「結論から話せ」という単純なテクニック本ではありません。「なぜ結論から話すべきなのか」という思考の「型」を教えてくれます。この「型」を理解すれば、もう上司の追及を恐れる必要はありません。
- 人事、経理、エンジニアなど、専門的な内容を「素人」に説明する機会が多い人
- 第3位で述べた「翻訳力」は、専門職にとって必須のスキルです。自分の知識を「相手がわかる言葉」に変換する思考法が学べます。
- コミュニケーション本は色々読んだが、精神論ではなく「具体的な思考の『型』」が知りたい人
- 「勇気を出そう」「熱意を伝えよう」といった精神論は一切ありません。「まず何を確認し(Why)、何を整理し、どういう順番で話すか」という、極めて具体的なフレームワークが提示されます。
❌ おすすめしない人(あなたの時間を無駄にする)
- すでに「自分は論理的に話せている」と確信しており、他人の意見を聞くつもりがない人
- 本書のキモは「相手の思考を整理する」ことにあります。自分の話術に絶対の自信がある方には、時間の無駄です。どうぞ、お引き取りください。
- 小手先の「話し方テクニック」(声のトーン、ジェスチャー、雑談力)を求めている人
- タイトル通り、本書は「話す前」の思考法が9割です。「どう話すか(How)」ではなく、「何を考えるか(Think)」を知りたい人向けです。
- 本書を読むだけで「頭が良くなる」と期待している、受動的な人
- 本書は「型」の教科書であり、実践して初めて意味をなします。スポーツ漫画の聖書『ハイキュー!!』で日向が「最強の囮」になるために、ひたすら基礎練習と実戦を繰り返したように、本書の「型」も職場で実践し、失敗し、改善して初めてあなたの血肉となります。読むだけで満足するなら、その時間は美味しい紅茶を淹れる時間に充てたほうが有意義です。
✍️ 著者のプロフィール、本の詳細
ここで、この良書を生み出してくれた著者と、本の基本情報に触れておきます。
- 著者:安達 裕哉(あだち ゆうや)氏
- ティネクト株式会社の代表取締役。
- 筑波大学大学院を修了後、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画し、大阪・東京支社長を歴任されたという、コンサル畑のプロフェッショナルです。
- 彼が運営するビジネスメディア『Books&Apps』は、私も人事労務のネタ探しや思考の整理で頻繁に拝見しています。累計1億PVを超えることからも、その洞察の鋭さがうかがえます。
- 本の詳細
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2023年4月19日
- ページ数: 336ページ
2023年の発売以来、2年連続で「日本で一番売れたビジネス書」(トーハン・日販調べ)に選ばれていることからも、いかに多くの人が「話し方」以前の「考え方」に悩んでいるかが分かります。
📚 まとめ:あなたの「無駄な会議の時間」を終わらせるために
あなたが「頭のいい人」になりたい、あるいは「話が分かりやすい」と評価されたいと願うなら、「話す技術(How)」を磨く前に、「思考の型(Why, What)」を身につける必要があります。
本書は、そのための最もシンプルで強力な「型」を教えてくれます。
- まず「Why(なぜ)」から考える。(第1位)
- この会議の目的は? この報告で相手にどうなってほしい?
- 次に「相手の関心事」を把握する。(第2位)
- 相手は何に困っている? 何を求めている?
- そして「相手がわかる言葉」で伝える。(第3位)
- 専門用語を翻訳し、相手の土俵で話す。
これだけです。 たったこれだけの「話す前に考える」習慣が、あなたを「あの人に相談すれば大丈夫」という信頼される存在に変えていきます。
あなたへの具体的なアクションプランです。 明日の会議で、いきなり流暢に話そうとしなくて構いません。
まず、会議が始まったら、「この会議の『本当の目的(Why)』は何か?」だけを、必死に考えてみてください。
それだけで、あなたの「聞く姿勢」は変わり、的外れな発言で時間を無駄にすることは劇的に減るはずです。
「人生の時間は有限」。 あなたの貴重な時間が、伝わらないコミュニケーションや無駄な会議でこれ以上消費されないことを、心の底から願っています。
この一冊が、あなたの「大切な時間」を守る、確かな武器となりますように。
この記事が「あなたの時間を無駄にしなかった」と感じていただけたなら、次に私がレビューする本の参考にしますので、ぜひご感想をお聞かせください。
あなたは次に、どのような「時間の無駄」を解決したいですか? 例えば、お金の勉強法、それともキャリアに関する悩みでしょうか?

