【書評】『LIFE SHIFT 2』レビュー|「定年」というゴールが消えた世界で、私たちはどう息継ぎをすればいいのか
こんにちは、Low calmです。
今、手元には温かいアールグレイがありますが、窓の外は少し曇っています。 人事労務という仕事柄、多くの人の「働き方」や「退職」の手続きに関わります。その中で最近、痛烈に感じることがあります。それは、「真面目に働いていれば安泰」というレールが、音もなく錆びついているという事実です。
「人生100年時代」という言葉が流行り、前作『LIFE SHIFT』で私たちは「長い人生にはお金以外の資産(無形資産)が必要だ」と学びました。 しかし、頭ではわかっていても、「それで、具体的に明日から何をすればいいの?」と立ち止まってしまった方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する『LIFE SHIFT 2』は、そんな私たちに向けた「行動の書」です。理論を説いた前作を超え、AIや長寿化が進む社会でどう行動し、どう社会的システムを利用するか冷静に説く、実践的な航海図です。
FPとしての視点、そして一度健康を失った私の視点から、この本が示す「生存戦略」について、静かにお話ししたいと思います。

結論:この記事は「読む価値」ある?
- こんな気分向け
「前作を読んで概念はわかったが、行動に移せていない」「AIやテクノロジーの進化に漠然とした恐怖がある」 - 読むと得られるもの
「テクノロジー恐怖症」の克服と、年齢にとらわれず新しいステージへ移行(行動)するための論理的な動機。 - Low calmの判定
「必読。前作が『地図』なら、本作は『コンパス』。Kindleでマーカーを引きながら少しずつ読むのが賢明」
Low calmが「グッときた」ところベスト3
【第1位】「学習」は贅沢ではなく、生存コストである

著者は、技術の進化により、私たちが持っているスキルの賞味期限が極端に短くなっていると指摘します。 多くの人は「勉強=学生時代のもの」と考えがちです。しかし本書は、人生の途中で「再創造(リ・クリエーション)」の時間を設け、新しいスキルを身につけることが、老後の資金不足を防ぐ最大の防衛策だと説きます。 人事の視点で見ても、これは真実と言わざるを得ません。会社の名刺に依存せず、どこでも通用するスキルを持つ人だけが、精神的な安定を得ているのが現実です。
【第2位】AI時代に求められる「人間的発明(Human Ingenuity)」

ここが本作の白眉であり、前作との決定的な違いです。 前作では「無形資産(スキルや健康)」の重要性が説かれましたが、本作ではさらに踏み込み、「テクノロジーが進化する中で、人間はどうあるべきか」を問いかけます。 AIやロボットが台頭する中で、私たちは仕事を奪われると恐れがちです。しかし著者は、テクノロジーを敵ではなく「補完するもの」と捉え、人間特有の創造性や共感力を活かす人間的発明こそが重要だと説きます。 これは、「逃げ」ではなく「適応」です。テクノロジーを理解し、それを使いこなす側に回ること。それが、これからの時代を生きるための唯一の解だと感じました。
【第3位】「社会的開拓者」としての孤独と自由

前例のない長寿社会を生きる私たちは、全員が実験台であり「社会的開拓者(パイオニア)」です。 ロールモデルがいないことは不安ですが、逆に言えば「こうあるべき」という呪縛から自由になれるということでもあります。 年齢を理由に諦める必要はない。30代でも50代でも、新しいキャリア(例えば、場所を選ばないWebスキルなど)を始めていいのだと、静かに背中を押してくれます。
どんな人におすすめなのか
✅ おすすめな人(時間を投資すべき人)
- 前作を読んだが、具体的なアクションプランが見えていない人
- テクノロジーの進化に不安を感じ、自身のスキルの陳腐化を懸念している人
- 国の制度を使って賢くキャリアチェンジしたい人
🚫 おすすめしない人(ミスマッチの可能性)
- 「3日で人生が変わる」といった即効性を求めている人
- テクノロジーや変化を拒絶し、現状維持こそが至高の幸せだと信じて疑わない人
紙 or 電子どの形式で「時間」を使うべきか?
判定:電子書籍(Kindle等)
本書は非常に分厚く、持ち歩きには不向きです。また、重要なキーワードが多発するため、検索機能やハイライト機能が使える電子書籍で、通勤中などの隙間時間に読み進めるのが効率的だと感じました。
まとめ:あなたの「時間」を投資する価値はあるか
この本は、ただの自己啓発書ではありません。これからの時代を生き抜くための「ルールブック」です。 読むことで、不安の正体が「準備不足」にあると気づくでしょう。
本書が説く「人間的発明」とは、AIに怯えることではなく、AIやWeb技術を「道具」として使いこなし、自分らしい人生を設計することです。
正直に言えば、この本を読んで「なるほど」と納得するだけでは、時間の浪費です。 重要なのは、読んだ後に「具体的なアクション」を起こせるかどうか。
例えば、本書で推奨されている「テクノロジーへの適応」。 これを実現するために、私がFP兼人事担当として強くおすすめしたいのが、国の「教育訓練給付制度」を使い倒すことです。
多くの人が知りませんが、国は「学び直し」を支援するために、受講料の一部を支給する制度を用意しています。これを活用しない手はありません。
もしあなたが、Webスキルやプログラミングに興味があり、かつ「費用を抑えたい」「未経験から手に職をつけたい」と考えているなら、「Kids Robo」のWebスキル講座のような、厚生労働省指定の講座を検討することをお勧めします。

名前は可愛らしいですが、中身は厚労省認定の一般教育訓練給付対象講座であり、大人が本気でキャリアチェンジするためのプログラムです。 特に、ひとり親家庭への支援(高等職業訓練促進給付金など)にも対応しており、自宅で学べる点は、まさに本書が言う「マルチステージ」を生きる私たちにとって、強力な「変身資産」になります。
重要なお知らせ
給付金制度(特に高等職業訓練促進給付金)は、お住まいの自治体によって対象講座の認定状況や受給要件が異なります。「当然もらえる」と思い込まず、必ず事前にお住まいの役所で詳細を確認してください。この「確認するというひと手間」こそが、賢い「社会的開拓者」への第一歩です。
子供家庭庁:高等職業訓練促進給付金のご案内
「本を読む」というインプットと、「制度を使ってスキルを得る」というアウトプット。 この両輪が揃ったとき、あなたの将来の不安は、確かな自信へと変わっていくはずです。
【最終案内】あなたの「時間」を豊かにする選択
▼国の制度を賢く利用して、Webスキルを身につける(体験学習について)
▼今回ご紹介した書籍


