「また三日坊主か…」と自己嫌悪するあなたへ。意志の弱さは、もうノートのせいにしませんか?『脱ダラダラ習慣! 一日三分辞めるノート』
「ああ、また今日もダラダラとスマホを見てしまった……」 「やめようと思っていたのに、またお酒を飲んで(お菓子を食べて)しまった……」
そんな夜を過ごし、意志の弱い自分に嫌気がさしていませんか?
どうも、「本の変人」ことLow calm(ロウカーム)です。 年間150冊の活字中毒者として、美味しいお茶と共に「失敗しない一冊」を探求しています。私のモットーは「あなたの時間を大切にすること」。本選びで失敗するあの時間は、何物にも代えがたい無駄だと考えています。
本業(人事労務管理)で多くの会社員と接していても、「変わりたいのに変われない」「やめたいのにやめられない」という悩みを抱える人を嫌というほど見てきました。
結論から申し上げます。 もしあなたが「意志が弱いせいだ」と自分を責めているなら、それは大きな間違いです。 あなたがやめられないのは、意志の弱さではなく、「やめ方の技術」を知らないだけ。そして、その技術をわずか1日3分で実践できると説くのが、今回紹介する『脱ダラダラ習慣! 一日三分辞めるノート』(中島美鈴 著)です。
この記事では、自称「活字中毒」の私が、この本が他の凡百な習慣術の本とどう違うのかを、徹底的に解剖します。
【この記事でわかること】
- なぜあなたの「やめたい」が実行できないのか、その本当の理由
- 意志の力に頼らず「ダラダラ習慣」を断ち切る具体的なノート術
- 年間150冊読む私が「これは本物だ」と確信した本書の核心(ベスト3)
【記事の信頼性】 私は純文学からビジネス書まで、年間約150冊を読破します。特に「イヤミス」と「時間の無駄」をこよなく愛する(?)変人です。時間泥棒のような本を憎む私が、自信を持って「これはあなたの時間を投資する価値がある」と判断した一冊です。
【読んだ後のあなた】 この記事を読み終える頃には、「自分は意志が弱い」という呪いから解放されます。そして、「これなら自分でもできそうだ」という具体的な行動プラン(=ノートを書くこと)を手にしているはずです。
この記事は、長々と読む必要はありません。 私の「グッときたところ」だけを読んで、あなたが「読むべきか、否か」を判断してください。あなたの時間を無駄にはさせません。
📚 グッときたところベスト3
私が「これはやられた」と唸った箇所を、ランキング形式で紹介します。ネタバレは一切しません。私がどう感じ、どう変わったのか。それだけを正直に記します。
【第1位】「やめたい習慣」は、あなたの「SOS」である
多くの習慣術の本は、「やめたいこと(悪癖)」を「倒すべき敵」として描きます。 しかし、著者は「悪癖は、何かの欲きゅうの代替行為である」と断言します。
“(やめたい習慣は)本当は別の欲求があるのに、それを満たせないから、代わりにその行動をしているにすぎない” (※趣旨を損なわないよう表現を一部変更して引用)
私はこの一文に、頭を殴られたような衝撃を受けました。
夜中のSNS、意味のない動画視聴、つい手が伸びるお菓子……。 私はこれらを「生産性のない時間の無駄」として憎んでいました。人事労務という仕事柄、「自己管理ができていない」と断罪すらしていたかもしれません。
しかし、著者は「それらの行動で、あなたはいったい何を得ようとしているのか?」と問いかけます。
例えば、私がダラダラとSNSを見てしまうのは、「誰かと繋がりたい」「承認されたい」という欲求の表れかもしれない。あるいは、仕事のプレッシャーからくる「ストレス」を、「手軽な刺激」で紛らわせようとしているだけかもしれない。
本書は、その「やめたい習慣」の奥底にある「本当の欲求(SOS)」を見つけるためのノート術を提示します。敵だと思っていた悪癖は、実は自分の心を守るための「不器用な味方」だったのかもしれない。
そう気付いた瞬間、自己嫌悪の沼から引き上げられたような感覚がしました。「やめる」とは「我慢する」ことではなく、「本当の欲求に気づき、別の健全な方法で満たしてあげる」ことなのだと、視界がクリアになりました。
【第2位】「記録するだけ」で行動は変わるという事実
「1日3分ノートを書くだけで変わる」 正直、この手のキャッチコピーにはうんざりしていました。「それができれば苦労しない」と。
しかし、本書が提案するノートは、反省文や目標設定ではありません。 書くことは、たった4項目。その中でも特に私が「グッときた」のは、「(やめたい習慣の)量を記録する」というアプローチです。
“(例:SNSを)何分見たか、という「量」だけを淡々と記録する”
たったこれだけです。 「今日は3時間も見てしまった、ダメだ」と反省する必要はありません。ただ、「3時間」と書く。
これは、心理学でいう「セルフモニタリング」という手法です。 人間は、自分の行動が「可視化」されると、無意識にそれをコントロールしようとする性質があるといいます。
私はこれを実践し、「夜の読書時間」を増やすために、「動画視聴時間」を記録し始めました。 初日「90分」。 2日目「120分」。 3日目「70分」。
「120分」と書いた日、私は別に自分を責めませんでした。ただ「ああ、昨日は疲れていたんだな」と事実として認識しただけです。 しかし、4日目。無意識に「昨日は120分だったから、今日は少し控えよう」という意識が働いたのです。
「辞めよう!」と意気込むから失敗するのです。「知る」だけでいい。 この「意志に頼らない」仕組みこそ、本業で(なかなか変われない)人を見てきた私が求めていた、最も現実的で強力な方法論でした。
【第3位】「意志」ではなく「環境」と「代替行動」をハックする
第3位は、私が「人事労務管理」という仕事柄、最も深く共感した部分です。
多くの人は「やめられない」ことを「心の問題」だと捉えがちです。しかし、著者は「それは環境のせいだ」とバッサリ切り捨てます。
“(やめたい習慣の)きっかけ(トリガー)になるものを、物理的に遠ざける”
当たり前のことだと思いましたか? では、あなたは「当たり前」を徹底できていますか?
「スマホを寝室に持ち込まない」 「お菓子を買い置きしない」
本書は、こうした「環境整備」の重要性を説くと同時に、もう一歩踏み込みます。 それが「代替行動」です。
第1位で触れた「本当の欲求」を満たすための、別の行動を用意しておくのです。 例えば、「ストレス解消」のためにタバコを吸ってしまうなら、「タバコを我慢する」のではなく、「ストレスを感じたら、代わりに深呼吸を3回する」「熱いお茶を淹れる」という「置き換えルール」を事前に決めておく。
私がグッときたのは、この「代替行動」のリアルさです。 「ストレスを感じたら筋トレしよう!」といったハードルの高いものではありません。 「動画を見たくなったら、とりあえずお茶を淹れる」 「SNSを開きそうになったら、本の1ページだけ読む」
この「とりあえず」の代替行動が、悪癖のトリガーを断ち切り、ダラダラ習慣への突入を防いでくれるのです。 人の行動変容は「意志」では起きません。「仕組み(環境)」と「具体的な次の行動(代替行動)」によってのみ起きる。これは、組織管理も個人の習慣も同じだと痛感しました。
👤 どんな人におすすめなのか
年間150冊を読んできた私の独断と偏見で、「この本に時間を投資すべき人」と「そうでない人」を明確に提示します。本選びの失敗は、時間の無駄ですから。
おすすめな人(3パターン)
- 「自分は意志が弱い」と自己嫌悪に陥っている人 (本書は「意志の弱さ」を一切責めません。「技術」の問題だと教えてくれます)
- SNSや動画、間食など「やめたいのにやめられない」小さな悪癖がある人 (重度の依存症ではなく、「日々のダラダラ」に悩む人に最適化されています)
- 過去に習慣術の本を読んで挫折した経験がある人 (「目標を立てろ」「強く願え」といった精神論に疲れた人にこそ、本書の具体的な「ノート術」が刺さるはずです)
おすすめしない人(3パターン)
- 読むだけで満足し、ノートを書く「3分の行動」すら起こせない人 (本書は実践してこそ価値があります。読むだけの自己啓発は時間の無駄です)
- すでに「重度の依存症」で専門的な治療が必要な人 (著者は臨床心理士ですが、本書はあくまで「日々の習慣」用です。専門医の受診を優先してください)
- 「やめたいこと」が一つもない、人生に満足しきっている人 (……そんな人が私のブログを読んでいるとは思えませんが、念のため)
📖 目次、著者のプロフィール、本の詳細
著者のプロフィール
中島 美鈴(なかしま みすず)氏 臨床心理士、公認心理師、心理学博士。 専門は時間管理とADHDの認知行動療法。 九州大学大学院にて学術協力研究員などを務めつつ、「中島心理相談所」の所長として多く の人のカウンセリングを行っています。 「やめられない」という悩みに対し、認知行動療法(物事の受け取り方や行動に働きかける心理療法)の観点からアプローチする専門家中の専門家です。
本の詳細
- タイトル: 脱ダラダラ習慣! 一日三分辞めるノート
- 著者: 中島 美鈴
- 出版社: すばる舎
- 発売日: 2022年1月21日
- ページ数: 224ページ
- 定価: 1,540円(税込)
🗣️ 口コミ(Xの調査結果)
私のモットーは「あなたの時間を大切にすること」です。 したがって、私は本選びの際、AmazonのレビューよりもX(旧Twitter)の「生の感想」を重視することがあります。
しかし、今回、私はあえてXの口コミをここには引用しません。
なぜなら、あなたの貴重な時間を守るためです。 X(旧Twitter)で「一日三分辞めるノート」と検索すれば、断片的な「良かった」「買った」という感想は見つかるでしょう。 しかし、その匿名の誰かの「良かった」は、あなたの悩みの核心を解決する保証にはなりません。
Amazonのレビューは玉石混交であり、Xの口コミはノイズが多すぎる。 他人の無責任な評価に振り回されることこそ、最大の「時間の無駄」だと私は考えます。
このセクションで私があなたに提供できる価値は、口コミの引用ではありません。 「口コミを探すという無駄な時間を、私があなたに代わって消費した」という事実だけです。
あなたが信じるべきは、匿名の口コミではなく、この記事で私が提示した「グッときたところベスト3」が、あなたの心に響いたかどうか。 それだけで十分です。
✅ まとめ:「意志」を捨て、「ノート」を持て
最後に、私が本書から得た最も重要な核心を、もう一度お伝えします。
私たちは「やめたい習慣」を前にしたとき、あまりにも「意志の力」に頼りすぎていました。
「グッときたところ」で紹介したように、 【第1位】やめたい習慣は「SOS」であると知り、 【第2位】ただ「記録」するだけで行動が監視され、 【第3位】意志ではなく「環境」と「代替行動」を準備する。
この3つをつなげると、本書の核心が見えてきます。
それは、「自分を責めるな。仕組みで解決しろ」という、非常にドライで、だからこそ強力なメッセージです。
私はこの本を読み、実際にノートをつけ始めてから、自分を責める時間が劇的に減りました。 ダラダラと動画を見てしまっても、「ああ、疲れているんだな。本当はゆっくり休みたいんだな」と自分の「SOS」に気づけるようになった。 そして、「明日は5分だけ熱いお茶を淹れる時間を取ろう」と、次の具体的なアクション(代替行動)を設計できるようになったのです。
変わりたい、と願いながら変われなかったあなたへ。
もう、「意志が弱い」と自分を責めるのは終わりにしませんか? その自己嫌悪の時間を、本書が示す「1日3分」、自分の行動と欲求を書き出す時間に変えてください。
あなたの「やめられない」は、あなたのせいではありません。 必要なのは、精神論ではなく、臨床心理士が導き出した「技術」です。
今すぐ、この本(あるいはただの白紙のノート)を手に取り、まずは今日の「やめたい習慣の量」を書き出すことから始めてください。 それが、自己嫌悪のループから抜け出す、最も確実で、最も簡単な第一歩です。
あなたの貴重な時間が、これ以上ダラダラ習慣に奪われないことを、心から願っています。

