このブログの著者について
メディア化作品
PR

『夢をかなえるゾウ』は時間の無駄か? 辛口書評家が「行動できない人」に本気で勧める理由

Low Calm
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「変わりたいのに、変われない」 「自己啓発本はたくさん読んだけど、結局何も実践できていない」

もしあなたが今、そんな息苦しさを感じているなら、この記事はあなたのためのものです。

こんにちは。「あなたの時間を大切にすること」をモットーに、失敗しない一冊だけを紹介する「本の変人」Low calm(ロウカーム)です。

年間150冊ほどの本を読みますが、正直に言って「時間の無駄だった」と感じる自己啓発本は少なくありません。ありきたりな成功法則、精神論ばかりで、「で、具体的に何をすればいいの?」と本を閉じることも一度や二度ではありません。

今回ご紹介するのは、水野敬也氏の『夢をかなえるゾウ』。 2007年の刊行以来、シリーズ累計400万部を超え、ドラマ化やアニメ化もされた超ベストセラーです。

「え、今さら?」「流行った本でしょ?」

そう思ったかもしれません。ええ、わかります。私もそうでした。流行の本、特に「感動」や「夢」を謳う本は、無意識に避けてしまうタチなので。

ですが、本業(人事労務管理)で多くの人の「キャリア」や「成長」に触れる中で、「なぜ行動できる人とできない人がいるのか」という問いに直面し、改めて本書を手に取りました。

結論から申し上げます。 本書は、「自己啓発本アレルギー」の人にこそ読んでほしい、最も実践的かつ強力な「行動変容」の教科書でした。

この記事では、年間150冊読む私が「なぜ本書を今、強く推薦するのか」を、ネタバレなしで徹底的に解説します。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • なぜ『夢をかなえるゾウ』が他の自己啓発本と一線を画すのか
  • 活字中毒者の私が震えた「グッときた箇所ベスト3」
  • 本書を読むべき人、読んでも時間の無駄になる可能性が高い人

この記事を読み終える頃、あなたは「とりあえず、これをやってみよう」と、読み終えた10分後には具体的な「第一歩」を踏み出しているはずです。あなたの貴重な時間をいただくからには、それ相応の価値をお約束します。


🧐 Low calmが選ぶ「グッときたところ」ベスト3

本書は、どこにでもいる平凡なサラリーマン(あなたや私のような)の元に、ある日突然、関西弁を話すゾウの神様「ガネーシャ」が現れるところから始まります。

主人公はガネーシャから「今から言う課題をこなせば、お前を成功させたんで」と、奇妙な課題を次々と出されます。

物語形式で進むため、自己啓発本特有の「読まされる感」が一切ありません。むしろ、主人公とガネーシャの漫才のような掛け合いに笑っているうちに、成功の本質が脳に刷り込まれていきます。

数ある教えの中から、私が特に「これは!」と膝を打った箇所をベスト3形式で紹介します。

第3位:「決めたことを続けられる」環境作りこそがキモ

「ええか?人間は『意識』を変えようとしたらあかん。変えなあかんのは『意識』やのうて『具体的な何か』やねん」

(※本書の趣旨を損なわないよう、表現を調整しています)

耳が痛い。本当に耳が痛い言葉です。

「明日から早起きしよう」「毎日1時間勉強しよう」 そう決意して、三日坊主で終わった経験が私にも何度もあります。私たちは「やる気」や「意識」といった、目に見えないフワフワしたものに頼りすぎです。

ガネーシャは断言します。「やる気」に頼るから失敗するのだ、と。

ではどうするか? 「やらないと気持ち悪い」というレベルまで、行動を「仕組み化」するのです。

例えば、私がこの書評ブログを続けるためにやっていること。 それは「夜、PCを閉じるときに、必ず新規のWordファイルを開き、『(仮)〇〇(次に書く本の名前)』とタイトルだけ打っておく」ことです。

たったこれだけ。 でも、翌朝PCを開いたときに、白紙のデスクトップが広がるのと、書きかけのファイルが目の前にあるのとでは、次に取る行動がまったく変わります。

本書では、この「具体的な何か(=環境)」を作るための、あまりにも簡単で、しかし強力な方法が提示されます。意志の力に頼るのをやめたい人にとって、これ以上ない処方箋です。

第2位:「他人の欲」を先回りして満たすという視点

「自分がどれだけ必死で頑張ったかなんて、どうでもええねん。相手が満足して、初めて『仕事』は『価値』に変わんねん」

(※本書の趣旨を損なわないよう、表現を調整しています)

本書を読んで、私が本業(人事労務)で最もハッとしたのがこの部分です。

会社には「私、こんなに頑張ってるんです!」とアピールする人がいます。残業時間を誇らしげに語り、自分の努力を認めてほしいと訴える。

しかし、ガネーシャの視点は冷徹なまでにシンプルです。 「それ、誰が欲しがってるん?」

私たちが提供する「仕事」や「サービス」が、どれだけ手間暇かかったか、どれだけ寝ずに頑張ったかなんて、受け取る側(お客様や上司)には関係ありません。彼らが求めているのは「自分のニーズが満たされること」ただ一点です。

ガネーシャは「相手が本当に欲しがっているものを、言われる前に想像して提供する」ことの重要性を説きます。

これはビジネスの基本でありながら、誰もが「自分の頑張り」に夢中になって忘れてしまうことです。本書を読んでから、私は仕事でメールを一本送るにも、「このメールを受け取った相手は、次に何を知りたいだろうか?」と一歩先を想像するようになりました。

この視点を持つだけで、あなたの仕事の質は劇的に変わります。

第1位:「一番身近な人」を喜ばせることの絶大な効果

本書には様々な課題が出てきますが、私が最も衝撃を受け、そして即座に実践したのがこれです。ネタバレを避けるため詳細は伏せますが、それは「最も身近な、たった一人の人間」を本気で喜ばせる、という課題です。

私たちは「成功」というと、何か大きなこと、不特定多数の人に認められることを想像しがちです。

SNSで「いいね」を稼ぐこと。 会社で出世すること。 多くのフォロワーに囲まれること。

でも、ガネーシャは「そんなもん、全部後回しでええ」と一蹴します。

「自分の身近におるたった一人の人間も喜ばせられへんやつが、赤の他人を喜ばせられるわけないやろ」

(※本書の趣旨を損なわないよう、表現を調整しています)

私はこの一文に頭を殴られたような衝撃を受けました。 年間150冊も本を読み漁り、知識を詰め込み、SNSで高尚な書評を垂れ流す。その一方で、毎日顔を合わせる家族や、職場の同僚に対して、どれだけ「喜び」を提供できていただろうか?

「ありがとう」の一言を、ちゃんと目を見て伝えていただろうか? 不機嫌な態度で、無駄なストレスを与えていなかっただろうか?

成功とは、遠くにある金ピカのトロフィーではありません。 今、目の前にいる人の期待に応え、その人を笑顔にすること。その小さな「喜び」の積み重ねが、結果として大きな成功につながっていく。

本書が単なる「テクニック本」と一線を画すのは、この「人間の本質」に切り込んでいるからです。

私は本書を読んだ翌日、何をさておき、まず妻の好物である少し高いお茶を買って帰りました。それが私の「具体的な第一歩」です。


🙋 どんな人におすすめなのか

本書は「万人に効く薬」ではありません。私が「時間の無駄だった」と切り捨てなかった本ではありますが、人によっては「時間の無駄」になる可能性も秘めています。

⭕ おすすめな人(今すぐ読むべき人)

  1. 「自己啓発本を読んでも行動できなかった」経験がある人 本書の課題は「靴を磨く」「コンビニでお釣りを募金する」など、恐ろしくハードルが低いものです。「こんなことで変われるか!」と思うかもしれません。しかし、その「バカバカしいほど簡単なこと」すら実行できない自分の現状を直視させられます。行動の「最初の一歩」を踏み出せない人にこそ、劇薬となります。
  2. 「変わりたい」と思っているのに、何から手をつければいいか分からない人 夢や目標が壮大すぎて、現実とのギャップに動けなくなっている人。本書は、まず「今、この瞬間」にできる具体的なアクションプランを、ユーモアを交えて提示してくれます。笑いながら読んでいるうちに、行動のタネが心に植え付けられます。
  3. 堅苦しいビジネス書や自己啓発本にウンザリしている人 本書は最高のエンターテイメント小説です。主人公とガネーシャの掛け合いは秀逸で、純粋に物語として面白い。難しい理論や横文字は一切出てきません。楽しみながら、人生で大切な原理原則を学びたい人に最適です。

❌ おすすめしない人(時間の無駄になる人)

  1. すでに「具体的な行動」を「継続」できている人 本書の教えは、成功の「本質」であり「基本」です。すでにご自身でPDCAを回し、日々小さな改善を積み重ね、行動を継続できている人にとっては、「全部知ってること」「当たり前のこと」に終始する可能性があります。
  2. 成功するための「画期的な裏ワザ」や「最新のテクニック」を求めている人 本書に書かれているのは、近道や裏ワザではありません。むしろ、松下幸之助やヘンリー・フォードといった偉人たちが実践してきた、泥臭くも普遍的な「原則」ばかりです。「楽して成功したい」というマインドの人には響かないでしょう。
  3. 「物語」や「フィクション」という形式が肌に合わない人 本書はあくまで小説です。「神様が出てきて主人公を導く」というファンタジー要素を受け入れられない人、ロジックとデータに基づいた理論だけを求める人には、本書のユーモラスな展開が冗長に感じられるかもしれません。

📚 目次、著者プロフィール、本の詳細

本書がどのような「課題」で構成されているのか、その一部と著者情報をご紹介します。

目次(本書の「課題」の一部)

本書は物語形式で進むため、一般的なビジネス書のような章立ての目次とは少し異なります。ここでは、主人公がガネーシャから出される「課題」の一部を紹介します。

  • 靴をみがく
  • コンビニでお釣りを募金する
  • 食事を腹八分におさえる
  • 人が欲しがっているものを先取りする
  • 会った人を笑わせる
  • トイレ掃除をする
  • まっすぐ帰宅する
  • その日頑張れた自分をホメる
  • 一日何かをやめてみる
  • 決めたことを続けるための環境を作る
  • 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
  • 自分の得意なことを人に聞く
  • 人のダメなところを指摘する
  • 夢を楽しく想像する
  • 運が良いと口に出して言う
  • etc.

(出典:『夢をかなえるゾウ』(文響社 文庫)の内容に基づきLow calmが抜粋・編集。本書の参照元としてAmazon商品ページhttps://www.amazon.co.jp/dp/486651241Xを記載)

どうでしょう。拍子抜けするほど「簡単」なことばかりではないでしょうか。 しかし、ガネーシャは「この簡単な課題すら実行できないから、お前は変われないのだ」と、読者の(そして私の)核心を突いてきます。


著者のプロフィール

水野 敬也(みずの けいや)

愛知県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。 著書に『夢をかなえるゾウ』シリーズ(累計400万部突破)のほか、『人生はニャンとかなる!』シリーズ、『「成功する人」と「失敗する人」の習慣』など多数。 また、「恋愛体育教師・水野愛也」名義での『LOVE理論』や、DVD『温厚な上D司の怒らせ方』の企画・脚本を手がけるなど、作家活動の枠にとらわれず多岐にわたり活躍。

本の詳細

  • タイトル: 夢をかなえるゾウ 1
  • 著者: 水野 敬也
  • 出版社: 文響社(文庫版) ※単行本は飛鳥新社
  • 発売日: 2020年7月9日(文庫版)
  • ページ数: 402ページ


🗣️ 世間のリアルな「口コミ」(X調べ)

Amazonのレビューは誰もが見るので、ここでは私(Low calm)がX(旧Twitter)で独自にリサーチした「リアルな声」を紹介します。

良い口コミ

  • 「完全に自己啓発本アレルギーだったけど、これは小説として面白すぎて一気読みした。ガネーシャの関西弁が最高。笑ってるうちに大事なこと学んでた」
  • 「『靴を磨く』とか、課題が簡単すぎてナメてたけど、やってみたら背筋が伸びる感じがした。行動することが大事なんだと痛感させられた一冊」
  • 「何回も読んでる。落ち込んだ時や怠け癖が出た時に読むと、『あ、アカン』って気持ちをリセットできる。自分にとってのお守りみたいな本」
  • 「身近な人を喜ばせる、って課題が一番刺さった。成功とかキャリアとか考える前に、まず目の前の嫁さんを大事にしようと思った。早速花買って帰った」

悪い口コミ

  • 「結局、書いてあることは他の自己啓発本と同じ。当たり前のことばかり。物語は面白いけど、目新しい学びはなかった」
  • 「ガネーシャのノリがちょっと合わなかった。ふざけすぎてるように感じて、内容が入ってこない」
  • 「読みやすいし面白いけど、これで人生変わるかと言われると微妙。結局は本人のやる気次第。読んで満足しちゃう人が多そう」

やはり、「読みやすさ」「面白さ」「行動のハードルの低さ」を評価する声が圧倒的でした。 一方で、「内容が当たり前」という批判も一定数見られます。

しかし、私はあえて言いたい。 その「当たり前」を、あなたは今日、実践できていますか? と。 「知っていること」と「できていること」の間には、絶望的なまでに深い溝があります。本書は、その溝を埋める「最初の一歩」を、世界で一番優しく、そして面白く後押ししてくれる本なのです。


🔑 まとめ:あなたが「最初の一歩」を踏み出すために

さて、ここまで『夢をかなえるゾウ』について、良い点も悪い点も含めて正直にレビューしてきました。

本書の核心。 それは、私が選んだ「グッときたところベスト3」に集約されています。

  1. 「意識」ではなく「環境」を変えること(第3位)
  2. 「自分の頑張り」ではなく「相手の満足」を追求すること(第2位)
  3. 「遠くの成功」ではなく「身近な人」を喜ばせること(第1位)

これらをつなげてみると、ガネーシャが本当に伝えたかったことが見えてきます。

それは、「成功とは、特別な人間になることではない。今いる場所で、目の前の人や物事と真摯に向き合い、ほんの少しの『具体的な行動』を積み重ねることである」という、極めてシンプルな真実です。

本を読んだだけで、人生は1ミリも変わりません。 年間150冊読む私が保証します。インプットだけでは、何も変わらない。

本を読んで「変わった」人は、読んだ後に「行動した」人だけです。

もし、あなたが過去に自己啓発本で失敗した経験があるなら、それはあなたのせいではありません。その本が、「最初の一歩」を具体的に示してくれなかっただけです。

『夢をかなえるゾウ』は、その「一歩目」をこれでもかというほど具体的に、そして面白く提示してくれます。

読者へのアクションプランは、たった一つです。

本書を読んだら、数ある課題のうち、たった一つでいいので「その日のうちに」実行してみてください。

「靴を磨く」でもいい。 「トイレ掃除をする」でもいい。 「家族に『ありがとう』とちゃんと言う」でもいい。

その小さな行動が、あなたの「変われない日常」に風穴を開ける、最初の一撃になります。

あなたの貴重な時間を「失敗しない一冊」に投資してみませんか。


いかがでしたでしょうか。 この記事が、あなたが「行動する読書家」になるきっかけとなれば、本の変人としてこれ以上の喜びはありません。


ブックカバー
記事URLをコピーしました